おしゃれアイコン・コーヒーはいつまで効力を発揮する?

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綿貫大介コラム

清澄白河、池尻大橋……コーヒーの聖地が続々

コーヒー界のアップルと言われたブルーボトルコーヒーが清澄白河に上陸して以来、東京でコーヒーの聖地と言えば、清澄白河が真っ先に挙げられる。今では日本のポートランドなんて表現をされたりしたぐらいのコーヒータウン・清澄白河。

そして最近では池尻大橋が新しいコーヒーのニュースポットになろうとしている。コーヒースタンドがいくつもあって、なんだかおしゃれな雰囲気に。特に特徴がなかった街が、コーヒーによって聖地化されてきている。

コーヒーってすごい。もはや「違いがわかる男」のための飲み物ではなく、おしゃれアイテム。インスタグラムを見てもコーヒーのカップの写真はたくさんアップされているし! サードウェーブ(※1)ブームはまだまだ続いている感じがする。もちろんセカンドウェーブ(※2)のスターバックスだって健在です。スタバでMacBook Airをカタカタしている人の多さよ。とにかくコーヒー=おしゃれの要素になっていることに変わりなし。

でも、コーヒーって本当におしゃれアイコンなのかな?東京がおかしなことになっているだけじゃないのかな?そう思うこともしばしば。

向かった先はコーヒー文化が根付く岡山県

ちょっと東京の気配から遠ざかりたくなって、一週間ほど岡山に滞在してみた。別に縁もゆかりもない土地なんだけど、なんだか居心地がよくて。大都市すぎないほどよさもいい感じ。

岡山を歩いていて思うのは、とにかく喫茶店の数が多いこと。コンビニの数をゆうに超えている。(原宿表参道エリアにある美容室の数よりも多いのでは?と思うぐらい。)スタバとかドトールといったチェーン店が多いというわけではなく、町の喫茶店、純喫茶があちこちにある。

サードウェーブでもセカンドウェーブでもなく、ファーストウェーブ(※3)が未だに根付いて生きているんだろうな。家から歩いて行ける距離に1軒ぐらい喫茶店があって、小さい頃からそこでモーニングを食べたり、休憩したりしていそう。何件が気になった喫茶店に数日かけて通ったけど、本当にお店によって空気感が違う。毎日来る顔なじみのお客さんがいて、座る席もだいたい決まっている。店主はお客さんとも仲良くしゃべるし一緒に席に座ったりもする。フリーダム!愛せる!そんなお店がとても多い。

いわゆる昔ながらの喫茶店って、(コーヒーの美味しさ追求もさることながら、)なにより「何もしないために集まる場所」を提供してくれているんだと思う。そもそも日本のコーヒー文化ってそれに支えられてきたんじゃないかな。ぼーっとするコーヒータイムってやつに。

けど、スタバとかブルーボトルとか、海外からのコーヒーショップの波はその文化までもさらっていってしまったように思う。だって前述の通りスタバではMacで仕事をしたり、ブルーボトルでも写真をパシャパシャ撮ったり。これらのお店はもう「目的を持った人が集まる場所」なんだよね。ゆっくりするためじゃなくて。コーヒーショップに行く目的がちょっと変わってきている感じがする。

つまり今の流行で言うと、おしゃれっぽく見せるためにコーヒーショップに行く、と言う方が正しい気がする。だからコーヒーがおしゃれアイコン、というのはやっぱりちょっと違和感がある。コーヒーでおしゃれアピールをしている人たちには、その時間をもっと「何もしない時間」に使えばいいのに。みんな意識高すぎるし忙しすぎるよ。東京の速度がそうさせるなら、これもブームとしてじきに過ぎ去りそうだけど。

※1……ハンドドリップで一杯ずつ丁寧に淹れるスタイル

※2……スターバックスに代表されるシアトル系と呼ばれるコーヒーチェーンブーム

※3……昭和40年代の喫茶店ブームの際に日本中に広がった喫茶文化

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綿貫 大介

綿貫 大介

エディター、ライター。メンズファッション誌編集者を経て、現在も編集、ライティング、ディレクションに携わる。発売中のkvina著『恋する東京 東京デートガイドブック』(京阪神エルマガジン社)巻末付録にも出てます。 いろんなアカウント:watanukinow

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