WAR IS OVER!都会を楽しむ人のためのアーバンミリタリー入門

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無骨で男らしい要素をアイテムでプラス

綿貫大介コラムミリタリーへの憧れってなんなのだろう。老若男女が「戦争反対!」なんて声を上げて訴えていたこの夏。みんな争いが嫌いなはずなのに、イメージとしてのミリタリーは無骨で男らしくて、ちょっと取り入れるにはちょうどよかったりする。

ヘルメットとか軍服とか、そのまんま着たいわけじゃない! 迷彩なんてわかりやすいものを取り入れなくたっていい! 本当に戦地に行きたいわけじゃないんだ。僕らにちょうどいいアーバンミリタリー、始めてみませんか?

秋になると、ミリタリーが気になり出す。たぶんそれは、カーキやオリーブ、ベージュなんかのアースカラーを主に使っている部分が大きい。それらの色は秋冬の気分にとてもよくハマるから。引き続きブラック、ホワイト、ネイビーばかりを着ているのも問題はないんだけど、そろそろちょっと別の色も取り入れたい、そんな今の気分にもピッタリ。ここ2年くらいチェスターコートの出番が多くて活躍してなかったミリタリーコートも、やっとクローゼットから出たがっている模様。まさに今、ミリタリー気分に拍車がかかっている。

ミリタリーとはそもそも、軍服からイメージされたファッションのこと。MA-1などのフライトジャケット、アーミーシャツ、カーゴパンツ、Pコート、実はベレー帽なんかもそれにあたる(藤子・F・不二雄先生のように芸術的なイメージがあるけど、軍隊でも用いられている)。アイテムは本格的な軍の払い下げ品から、ディテールを取り入れただけのモノまでさまざま。全身軍モノでまとめるとさすがにキツいけど、単体でアクセント使いするにはちょうどいいんだなこれが。

S/Sくらいからすでにブラック、ホワイト、ネイビーなどの定番色でMA-1などのアイテムがよく発売されていて、ミリタリー感を出しすぎることなく、ライトにみんな着始めてはいた(森の中ではなく都会に溶け込むミリタリーとは、考えられている!)。いつもの手持ち服ともすんなり合わせるアーバンミリタリーなスタイルはかなりイケてる感じがする。

そしてA/Wからはいよいよトレンド本番。女性の間でもミリタリーは流行っていて、表参道を歩いているとMA-1女子を多く見かける。颯爽と歩いている感じはすごくかっこいい。戦地じゃなくて、都会だからかっこいいんだろうなぁ。相反する感じ。ギャップ。そういうものが。

本当は深い、ミリタリーファッション

実はミリタリーファッションの原点は1960年代のヒッピースタイル。ベトナム戦争でのアメリカ軍の放出品を、反戦の意味を込めて着用し、ファッションで訴えていたのだという。ジョンレノンが「ラブ&ピース」を謳いながらアーミーシャツを着ていたのだってそのため。そう思うと、ミリタリーファッションは単に戦争のための服装ではなく、平和を守るための服装にも思えてくる。

この夏、森美術館でベトナム人アーティストのディン・Q・レによる「ディン・Q・レ展:明日への記憶」を開催していた。彼はベトナム戦争をモチーフにした作品が数多く制作している。今回、展示の中に、戦時中の日本、アメリカ、ベトナムの軍服が飾ってあるコーナーがあった。今年は日本で戦後70年。さらにベトナム戦争終結40年にあたる節目の年だ。今ミリタリーファッションが流行るのって、そう考えると実は深い意味が出てくる。ファッションに時代背景や思想を持ち込むといったメッセージは、あまり必要ないように思う。けれど、ファッションをきっかけにちょっとそういうことを思ってみるのもいいのかもしれない。

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綿貫 大介

綿貫 大介

エディター、ライター。メンズファッション誌編集者を経て、現在も編集、ライティング、ディレクションに携わる。発売中のkvina著『恋する東京 東京デートガイドブック』(京阪神エルマガジン社)巻末付録にも出てます。 いろんなアカウント:watanukinow

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