日常品の中にある美しさに気づけるか。洋服にとっての用の美とは?

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綿貫大介コラム

機能に優れた素材が花盛り

“丁寧な暮らし”が流行している中で、民芸など「用の美」が注目されている。用の美とは、生活に即した民芸品に注目した柳宗悅さんが作った言葉で、器など普段生活で使っている日用品の中に真の美しさがあるということを主に指している。今やアートなどの美術品的な美しさではなく、実用性のある物の中にある美しさに、多くの関心が向けてられている。

毎日使う日用品なら、僕たちは器よりも洋服で考えたほうがしっくりくるはず。その場合、「用の美」は「機能美」や「機能性」という言葉に置き換えたらわかりやすいと思う。服にも機能美を感じるアイテムがたくさんある。特にスポーツウエアやアウトドアウエアなんかはその最たるところ。

まずはスポーツウエア。例えばマラソンなどで長時間動き続ける場合、かいた汗がそのままだと不快なだけでなく、汗で体が冷えて体温を奪ってしまうこともある。だから激しく体を動かすスポーツは、汗をすばやく吸収して、乾かすことが求められる。「吸汗速乾性」の機能はかなり重要だ。その機能を最大限に生かしている素材はポリエステル。ユニフォームやジャージなど「ポリエステル100%」というタグに見覚えがあると思う。気にしていない人も多いと思うけど、素材1つにしても機能としての意味があり、使われる理由がちゃんとあるというわけ。

素材で言うと、最近では消臭防臭などデオドラント機能が組み込まれた素材、UVカットができる素材、発熱性素材など、さまざまなものが開発されている。それはスポーツシーンに限らずに、今やいろんな洋服で使われている。

街で見かける高機能タウンユースアイテム

野外活動に最適なアウトドアウエアだって負けてはいない。マウンテンパーカなどは、今ではアウトドアシーンだけでなく街で着ている人を見かけるアイテム。それにザ・ノース・フェイスでは、最近ではアウトドアウエアの機能を活かした利便性の高い日常着も販売している。例えば台風やゲリラ降雨に有効な、撥水性、防水性に優れたコート。ほかには冬の防風や防寒にも優れたダウンパーカ。もはや定番となったシャトルデイパックも、タウンユースに欠かせないアイテムだ。

ほかにもウォッシャブル、温度調整機能など、さまざまな機能性のあるアイテムを最近はたくさん目にする。そしてそれはスポーツやアウトドアなど特定のシーンに限定されるものではなく、日常着がほとんど。みんなデイリーユースで使えるアイテムにも機能を求めているのか、それもただのブームなのか。わからないけど、デザインと機能を両立できるなんてすごくいいことだし、それも1つの用の美だなぁと思う。

機能性もあって、普段使いできるおしゃれな服って素敵だ。服はデザインで選びがちだけど、機能にも注目してみるといいかも。

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綿貫 大介

綿貫 大介

エディター、ライター。メンズファッション誌編集者を経て、現在も編集、ライティング、ディレクションに携わる。発売中のkvina著『恋する東京 東京デートガイドブック』(京阪神エルマガジン社)巻末付録にも出てます。 いろんなアカウント:watanukinow

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